特集コラム
2020/08/07

ワーケーションで「旅しながら働く」を叶えた、JALの「働き方改革」最前線

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新型コロナウイルス感染症の拡大防止を契機として、一人ひとりの事情に合わせて多様な働き方を選択できるようにする「働き方改革」が、日本全国で改めて加速しています。JALでは、2015年にワークスタイル変革の専門組織を新設し、「時間」と「場所」の制約を極限まで緩和する働き方を推進してきました!

今回は、旅先で仕事ができる「ワーケーション」と、出張の前後に休暇を取得することができる「ブリージャー」にフォーカスします。

人財本部人財戦略部 ワークスタイル変革推進グループ アシスタントマネジャーの東原さんに、働き方改革の取り組みについてくわしく聞きました。

社員がいきいきと働くことがより良いサービス提供につながる

ーーJALでは、働き方改革としてどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

東原:以前より、全社員が自身の業務において高い生産性を維持し、やりがいをもって働ける職場を目指し、働き方改革を進めています。

「1年間の総労働時間を1850時間以内にすること(所定労働時間が8時間の場合、年休20日取得・残業月約4時間以内)」がひとつの目標です。

2017年に「ワーケーション」、2019年に「ブリージャー」を導入し、休暇や出張に合わせて旅先でも仕事ができるようになりました!

ーー働き方改革に熱心に取り組んでいるのはなぜでしょうか。

東原:社員一人ひとりがいきいきと働くことが、お客さまにご提供するサービスの向上や企業価値を高めて、社会貢献をすることに直結すると考えているからです。

お客さまに最高のサービスをご提供するモチベーションにつなげるためにも、社員には「JALで働いていてよかった」「JALの一員としてがんばろう」と思ってもらいたいですね。

働く時間と余暇の時間がともに充実することで、個人の成長につながる経験を得られると思っています。近年導入した、旅先で仕事ができる制度もその一環です。

ーー旅先で仕事をする具体的なメリットについて教えてください。

東原:まず社員にとっては、旅に出ていつもと違う環境に身をおくことで、自己成長や活力につながるというメリットがあります。

同じ環境でモチベーションをキープし続けるのはなかなか難しいですが、リフレッシュもかねて旅に出て、異なる価値観に触れたり感性を高めたりする機会をつくることで、メリハリをつけて働くことができます。家族など大切な人と過ごす時間が増えるというのも良い点ですね。

会社にとっては、今回のような感染症対策をはじめ、災害や家庭の事情を理由に出社して働くことができない社員がいたとしても、「出社する」という観点から解放することで、労働力を分散させることができ、滞りなく業務を行ってもらえるメリットがあります。

旅先で仕事ができる制度「ワーケーション」と「ブリージャー」

ーー「ワーケーション」や「ブリージャー」とはどのような制度ですか?

東原:ワーケーションは休暇中に、旅先で仕事をした時間を就業時間として認める制度です。「仕事(work)」と「休暇(vacation)」の造語で、JALでは休暇取得がベースとなっています。休暇中に仕事が入ってしまったとしても、旅先で仕事ができることはもちろんですが、最近ではあえて遠隔地で業務を行うことで自身への活力としているケースもあります。

ブリージャーは「ビジネス(business)」と「レジャー(leisure)」の造語で、出張の前後に休暇がつけられる制度です。2019年5月からスタートし、半年ですでに約120件の実績があります。ワーケーションもブリージャーも、普段の業務を旅先で行うからこそ得られることがあるという点は共通しています。

2017年時点で、自宅で仕事ができるテレワーク制度はかなり浸透していたのですが、「帰省中も仕事ができたらいいのに」「長く休暇をとると仕事がたまるので休み明けが憂うつ……」といった声があがっていたので、このような制度を導入しました。

ワーケーションは、2017年は夏季だけで11名、2018年は年間通して174名の社員が利用しています。2020年はこのような状況なのでどのようになるかはわかりませんが、状況が落ち着き「新しい日常」が浸透する中で、感染対策に配慮しながら、さらに利用者が増えるのではないかと思っています。また、今回の緊急事態宣言等で長期間出社しなくても、勤務できることが実証されたケースも多くあるので、今後は生活基盤を東京以外に置くことや、長期にわたりその場所に滞在しながら働くなどの発展性もあると考えています。

ーーどのように浸透させていったのですか?

東原:遠隔地でのテレワーク体験やワーケーション参加者の公募、社内報への掲載などで社員の理解促進を図りました。上司が使わないと使いづらい……というような心理的な懸念を払拭するために、役員を対象にしたワーケーションも実施しましたね。

また社内に浸透させるヒントになればと思い、私自身もシンガポールで、ワーケーションをしてみました。

ーー実際にワーケーションをしてみて、どのように感じましたか?

東原:「仕事が終わったら何をしよう」と常にワクワクしながら働けたことがよかったですね。目の前に楽しみがあるからか、生産性が上がったように感じました。

最近では、連休と連休の間に平日がある場合、そこで有給休暇を取得して長期休暇にし、ところどころで仕事をするというような活用をしています。この制度を使って、昨年は1週間ニューヨークへ行ってきました。時差がある国は少し大変でしたが、あらかじめ就業時間を決めておき「◯時までに終わらせないと迷惑がかかる」と考えながら、計画的に業務を進めました。休暇中に大好きなミュージカルを6作品も観劇できて、大満足の旅でした!今はこうした利用が難しい状況ですが、また旅行に行ける日常に戻ったら、再訪したいと思っています。

ーー制度を利用した社員からはどのような意見がありますか?

東原:社員からは「休暇期間が長くとれるようになった」「オンとオフがはっきりしているから効率的に働けた」などの感想をもらっています。

さらに、「新たな視点で物事を考えられるようになった」「生き方を見直した」「自分自身を俯瞰できた」といった声もありましたね。まさに、ワーケーションの狙いである、個人の成長や活力につながっているように感じられました。

ツアーやコワーキングスペースで柔軟な働き方を後押し

ーーお客さまのワーケーションをサポートするプランなどはありますか?

東原:JALカード会員さま限定で、沖縄のコワーキングスペース「howlive(ハウリブ)」を特別価格でご利用いただけるプランをご用意しています。私も以前利用したことがありますが、リゾート感あふれる、快適に仕事ができる環境で、ワーケーションやリモートワーク、出張の際に集中して仕事をしていただけます。

今後、JALパックでワーケーションに注目したツアーの造成も検討していますので、ぜひ活用していただければと思います。

ーー働き方改革は、今後ますます浸透していきそうですね。

東原:そうですね。JALとしては各道府県と連携して日本各地でワーケーションやブリージャーを行えるようにすることで、社内のみならず日本全国に新しい働き方を広めていきたいと思っています。これまで、ワーケーションという働き方は長期的な視点で取り組みを考えていましたが、今回の新型コロナウイルス感染症に起因した環境の変化から、すぐ目の前の働き方・休み方として広く考えられるものとなりました。今後、さらにリモートワークが半ば「強制的に」進められていく中でどのように自身を高めていくか、私自身もこのワーケーションをとおして考えていきたいです。

ーーありがとうございました!

「新しい日常」の一部として、在宅勤務やテレワークといった「働き方改革」が注目されています。旅先でお仕事をする「ワーケーション」や「ブリージャー」も今後浸透して、「旅しながら働く」が広まると嬉しいです♪

tricoでも、旅先での効率的な働き方やワーケーションにおすすめの場所などをシェアしていけたらいいですね♪

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3件のコメントがあります。
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  • 私の働いている業務的にワーケーションは難しいのですが、
    出張した先での業務終了後の休暇取得を認めてもらえれば、
    いろいろなロケーションでのリフレッシュになりますよね!
    今度、社内で提案してみたいと思います。
  • 脊椎側わん症の大手術をうけ、いま療養中です。わたしの勤めていた会社が破綻していらい、転々と仕事してきました。

    体もこわしたのも、無理をしたのだと思います。日本の会社も働きかた改革をもっと行うべきだと思います。ワーケーション、もっと普及してほしい。
  • これからの世界は変わり目にきているのでしょうか 仕事 旅行 食事 人との付き合い方 職場 移動 コミュニケーション そして働き方 求められる新しい生活様式をいかに取り入れ それを生活に取り入れ 生きていく 乗りすぎてもいけないし 乗り遅れてもいけない 人の様子を見てから決める日本人気質がでるのか 日本経済の今後もかかっていると思います
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