JALトーク
2021/09/05 16:02

短距離線でA350を使うJALの凄さ

カタール航空のA350-900。 最近「塗装劣化」でエアバス社に苦情を言っているようです。
これを日航が国内線で使うと知って、さぞかしエアバス社は驚いたことでしょう。
タヌキ。
もう一つ飛行機の話をしましょう。

日航にエアバスA350-900が就航して2年が経ちました。
7月から「がんばろう日本」の素晴らしい特別塗装機も登場し、すっかりJALの看板機種として定着した感がありますね。国際線のフラッグシップは未だボーイング777-300ERですが、これも再来年にはA350-1000に取り替えられます。

そもそもA350は正式名称を「A350XWB」と呼び、それ以前に計画されていた元のA350案と区別されています。旧A350案はA330と同じ太さの胴体で、ちょっとしたモデルチェンジの域を出ないものでした。しかし、そんな焼き直しでは787に勝てないとして、完全新設計のXWBに改められたということなんです。あえて787より一回り大きくしつつ、従来技術も活かすことで価格を抑え、それでいて新時代の環境基準に適合できるようにする…これがコンセプトでした。
もちろん、大陸間の超長距離路線に投入することを狙った設計です。

ところがJALは、長距離用のA350-900を日本国内の短距離線に採用し、777と交替させる戦略に出ました。何やらエアバスの担当者が「本当に国内線で使うのか」と驚いたという話も漏れ伝わっています。

これは恐らくANAに対する対抗意識もあるでしょう。ANAが787を導入したとき、新機種であることを鳴り物入りで宣伝しました。それを受けて、今度はJALが「それを上回る新機種の導入」として宣伝しようという作戦です。
側面に機種名を大きく入れるデザインも、元はANAが787で行っていたことです。

ハード面から見ると、JALはA350を「かつての国内線ジャンボ747SRと同じ」位置づけで捉えていることが分かります。
A350は長距離機なので、15,000km飛ぶために燃料満載すると、最大離陸重量は280tにも達します。ところがJALは、重量で決まる空港使用料を抑えるため、A350の最大離陸重量を217t・航続距離を5,900kmで登録しています(HPで確認可)。書面上は中距離機として扱われているのです。昔の747SRも、航続距離をカットして着陸料を抑えていました。
世界でも類を見ない使用法であることは間違いありません。

これから来るA350-1000は未知の世界。どんな仕様になるのか楽しみですね。
カタール航空のA350-900。 最近「塗装劣化」でエアバス社に苦情を言っているようです。
これを日航が国内線で使うと知って、さぞかしエアバス社は驚いたことでしょう。
タヌキ。
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  • 国際線は「A350-1000」就航迄待つ事にしましたよ(笑)「来年度」もどうやら主要路線でも「DAILY」は絶望的ですから(笑)
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    • まだJALは冬期のスケジュール出さないので、今後どうなるか分かりませんが、まあ春までは厳しいでしょうね。それ以降はワクチンの普及で出入国制限も緩和されるだろうと思います。
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    • 恐らく来年度中迄は「慎重路線」を崩さないと思いますよ(笑)国内線でさえ「今年冬ダイア」がズタボロ減便敢行した位ですので「来年度」は様子見すると視て居りますよ(笑)
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