JALトーク
2022/05/15 05:17

沖縄の空の昔と今

沖縄本島中南部には嘉手納飛行場(嘉手納基地)という日本最大の米空軍基地があります。在日米軍の管轄下にあり、大型機が離着陸可能な長い滑走路が2本敷設されております。その長さはどちらも3,688mと、これは成田空港A滑走路や関西空港B滑走路の4,000mと肩を並べる規模です。そして、同基地の敷地面積については羽田空港の約2倍となっております。

かつて沖縄県は米国🇺🇸の統治下にあったように沖縄本島周辺上空は米軍の管理下にありました。その管轄エリアは嘉手納基地から半径約90km以内、高度約6,000m以下の空域と、久米島空港から半径約55km以内、高度約1,500m以下の空域で、沖縄本島と久米島がすっぽり覆われるほどの大きさです。1972年5月15日に沖縄の施政権が返還された後も、この一帯の航空管制は米軍によって行われていました。

離陸🛫した航空機は所定の高度まで上昇を続けるのが原則ですが、那覇空港の場合は離陸した民間機は上昇を一旦止めて低空状態で水平飛行するケースもありますが、これには理由があります。当該空域では那覇空港から程近い嘉手納基地から離陸する米軍機を妨げないように飛行高度が制限されています。那覇空港に離着陸する民間機は嘉手納基地を離着陸する米軍機と高度が重なることから、那覇空港から約10kmは高度約300mにて飛行するという高度制限がかけられています。即ち、航空安全上、狭い空域にて米軍機と民間機が混在することによる衝突やニアミスを回避するための対応です。

https://m.youtube.com/watch?v=RpmMNpnuBNs

2010年3月31日に、一部の飛行場管制を除き、多くの空域がようやく日本🇯🇵に返還され、日本側にて管制が行われるようになりました。

しかしながら、それでも米軍機が優先されますが、その飛行状況が把握可能なため、状況によっては高度制限を解除するなど、柔軟な対応ができるようになっています。

航空機が低空飛行すると、乗客はすぐ真下に広がる沖縄の青く透き通った海を堪能できるものと思われますが、パイロットにとってはその高度制限は悩みの種だそうです。それは強風でも視界不良でも、そして台風接近時🌀🌪でもその高度制限に負けずに飛んでいるためです。

#LOVE沖縄
#那覇空港
#嘉手納基地
いいね! 役にたった 知らなかった
2
クリップ
38件の「いいね!」がありました。
全38件の「いいね!」がありました。
  • 33
  • 0
  • 1
コメント
2件のコメントがあります。
並び替え
コメントするにはログインしてください
  • 2022/05/16
    鶴丸A350さん、詳しくご解説いただきありがとうございます‼️

    お書きの内容然り、東京ACCの管轄内容然り、まだまだまだアメリカ統治下にいるんだなあと思います。
    戦後は終わらず、この後もずっと続いて行くのでしょうね…
    (余談で失礼いたします。東京ACCは私の出身市にあり、職員官舎は私の実家側で昔からなじみがあります)
    いいね!役にたった知らなかった
    • 仰る通り、本土復帰から50年経過した今も基地問題など、さまざまな課題がありますが、一番大切なこととしてはまずは基地の配備の見直しを図った方がいいものと私は考えている所存でございます。
      いいね!役にたった知らなかった
投稿の報告
「JALの旅コミュニティ trico」内において、利用規約に違反する疑いがある投稿を発見された場合は、こちらより該当する理由を選択の上報告ください。
該当する理由を選択してください。
キャンセル  
投稿の報告
通信に失敗しました。恐れ入りますがしばらくたってからやり直してください。
閉じる
ご協力ありがとうございました
※報告者情報、報告内容については個人情報保護方針にて保護され、公開されることはありません。
注意事項
ご連絡に事務局が個別にお答えすることはありません。
ご連絡いただいた内容は、利用規約に照らし合わせて確認を行います。
ご連絡をいただいても違反が認められない場合には、対応・処理を実施しない場合もあります。
閉じる