さまざまの事思ひ出すさくらかな（芭蕉）

芭蕉が45歳の頃、伊賀上野のかつて仕えた家の庭で、
亡き主人を思い出して詠んだ句だとか。

お花見を始めて数年間、いつもいた友人。
彼女が闘病で来られなかった春、
桜の花びらを添えて、皆で手紙を書いて送った。

馬に乗る彼女は、誰より早く、颯爽とあちらの世界に行ってしまった。

お花見は、彼女を思い出す時間。

ああ、いっしょに見ているね・・・友人に言うと、
「私も、いま、そう思っていた」と言う。

花より団子だけど、そういう時間もある。

今年の春は、それぞれの場所で彼女を思い出す。

すてきな春を。

本日は二十四節気、春分。
七十二候、雷乃発声（かみなりすわなちこえをはっす）

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