こんにちは!ボーイング787型機 副操縦士の橋本です。
管制とのやりとりは機種に関わらず標準的な用語が決められているため、残念ながらボーイング787型機のパイロットだけの秘密の方法はありません。また、無線通信については各国いろいろ細かいルールがあり、なかなか私たちが「バイバイキーン」のような表現を使える機会はありません。というものの、万が一でもその可能性はないのかと思い調べてみると、ありました!地点名“BIKIN(バイキン?ビキン?)”。ドミニカ共和国の北、タークス・カイコス諸島に存在します。管制官は所定の位置までに上昇、降下高度を指定する場合、“BY(バイ:~までに)”といった表現を使いますので、もしかすると今この時点にも管制官が“Descend to Reach xxx By BIKIN(バイキンまでに高度xxxまで降下してください)”と言っているかもしれませんね。
さらにパイロットが管制指示を確認したら大変です。
パイロット:“Confirm By BIKIN?(確認ですが、バイキンまでにですか?)”
管制官:“Affirm,By BIKIN(その通りです。バイキンまでにです)”
パイロット:“Rodger By BIKIN(分かりました。バイキンまでに)”
パイロットの仕事には「バイバイキーン」と大真面目に言わなければいけない可能性がある。という“秘密”だけ持ち帰っていただければと思います。