日本の航空会社における機内での禁煙ルールが出されたのは今から20〜30年ほど前のことであり、2000年頃まで、機内での喫煙は基本的に禁じられるものではありませんでした。そのような風潮があったことは座席にも見ることができ、旧式の旅客機では座席にも灰皿が設けられていたそうです。
その後、JAL、ANAともに全面禁煙へ踏み切ったのは1999年のことで、それ以降、現在のように機内は全面禁煙というのが当たり前になりました。
しかし、後発の航空会社にはJALやANAが禁煙となった後も喫煙を容認し、それをセールスポイントとしていた航空会社もありました。エアドゥ(当時の北海道国際航空)がそれにあたり、同社では一部座席に喫煙席を設けることで搭乗率向上を目指していたものの、社会的な禁煙の流れに逆行していたほか、当初の期待ほど搭乗率向上に繋がらなかったとして、2001年にこれを撤廃、全面禁煙としています。
前述の通り、現在では機内は全面禁煙が当たり前であるにも関わらず、トイレ内には必ず灰皿が設けられていますが、これには理由があります。トイレ内にはペーパータオルなど燃えやすいものがたくさんあり、喫煙者がトイレに隠れて喫煙することで、機内火災に繋がることを未然に防ぐためです。また、機内のトイレは皆さまのご家庭などにある水洗式トイレとは異なり、便器に水を張っていないバキューム式が多いことから、火のついたタバコを便器の中に捨てると火災に繋がります。
空を飛ぶ飛行機ではフライト中に機内にて火災が発生しても緊急脱出はできません。従って、安全を第一優先に考えるべく、万が一に備えるために灰皿を設けており、決して喫煙を容認するためではありません。
仮にトイレに隠れて喫煙した場合は煙探知器が大音量で鳴り響き、当該機体は緊急着陸などを余儀なくされ、周りの乗客にも迷惑がかかってしまいます。そして、喫煙者には罰金(日本では50万円以下)などが課せられます。
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