飲酒問題で国交省への業務改善報告書、真剣さが素晴らしい。 気になったのは報告という性質もあるでしょうが「リスクや危機を上手く捌いて利益を得る積極性」が見当たらないことです。
https://www.jal.com/cms/ja/2025-1-24_.html.pdf
例え話をすると、行きつけのかき氷屋で食べ終わった後、私にだけ温かいお茶が出るんです。スタッフが優秀で常連の好みを知っているからです。
ある時、隣の客が同時に食べ終わって私にだけそのお茶が出た。客が去った後「私にだけ出すのはバランスが悪い」と注意したんです。優秀ですから素直に謝罪と感謝をしていました。
次回、「スマホにメッセージを書いて見せればよかった。小声で言っても隣客に聞こえるので言えなかった。思い至らなかった」しっかり謝ったんです。
謝罪に一時的ストレスはありますが、「有利な立場にもかかわらず自主的に非を認める」ことで時に尊敬と信頼を買えるのです。
その後ますます私を大切に扱い、自主的に動いてくれます。
今回の件に戻れば、欠航したら現場に負荷がかかり、振り替えや宿泊などで数千万円飛ぶでしょう。
しかし、過剰飲酒・隠蔽事案を隠さずに、安全を最優先したと社内外から尊敬され信頼される(一時的批判は出ますが)。
つまり数千万円で尊敬と信頼を買える。それらが蓄積すると、社員は自主的になり、ブランド力が高まり、高利益率の商品が売れ、優秀な人材が集まる。滅多にないチャンスです。
この意識がないと、危機に対して倫理的とかルールを守るという消極的姿勢だけになる。間違ってはいないが(問題をなくそうとする)管理者マインドです。
報告書にリスクを感じ取る力が弱いとありましたが、リスクに金の匂いやチャンスを感じないなら積極的になれず弱くなるのは必然です。そしていつか破綻する。
「金に裏打ちされない倫理は、たいてい金に負ける」んです。
「危機を積極的に捌いて儲ける」。つまり(問題を活かそうとする)経営者マインドもご検討なさってもと思います。
JALさん上品大好きですけど、真の上品さの一つは倫理と金を誠実さだけで結びつけることです。
JALさんの上品さに奥行きと仄かな凄みを与えます。期待します。