特集コラム
2020/05/14

【仕事の舞台裏】地上のパイロット!安全運航を支えるディスパッチャーの仕事とは?

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仕事の裏側シリーズ第3弾!今回は以前実施した「JALのお仕事の舞台裏を知るならどの職種がいい?」の投票でダントツの1位だった“地上のパイロット”「運航管理者(ディスパッチャー)」の仕事の裏側をご紹介します。

今回、入社5年目でディスパッチャー歴1年の田中さんに、業務内容や求められる力、どうしたらJALのディスパッチャーとして活躍できるかなどを聞きました!

ディスパッチャーの仕事は飛行計画の作成と飛行監視

ーー田中さんはなぜディスパッチャーを目指したのでしょうか?

田中:飛行機の運航を地上から支えられる仕事と聞いて興味をもったことがきっかけです。

また空港でグランドスタッフとして働いていたとき、たくさんの関係者がいる中でディスパッチャーが安全運航の要であることを知りました。自分が思っていた以上にさまざまなことを考慮して飛行計画を作り、状況判断をしていることを知り、徐々に「ディスパッチャーになりたい」という思いが強くなっていきました。

ーーディスパッチャーとはどんな仕事なのか教えてください。

田中:主に2つの業務を行っています。ひとつはフライトプラン(飛行計画)の作成です。天候や運航状況に合わせて、搭載燃料の量や飛行経路を決めてフライトプランに落とし込みます。

もうひとつが、フライトウォッチ(飛行監視)です。飛行機が問題なく運航しているかを監視し、何か変化があったらパイロットに情報を提供したり、ルート変更や代替空港を手配したりします。JALではディスパッチャーの担当区分が国内線・国際線(長距離)・国際線(中距離・短距離)と3つに分かれています。私は国際線(中距離・短距離)を担当しています。

ーーフライトプランはどのように作成しているのですか?

田中:天気図や航空気象情報をもとに作成します。例えば、「今日は天気が悪いから着陸前の状況によっては上空待機して回復を待ちそうだな」と予測したときは、搭載燃料の量を増やしたり、なるべく揺れがなさそうな飛行経路を選んだり。プランを考えたら、専用システムに入力して作成します。

路線によって異なりますが、基本的に飛行経路は決まっているので、問題がなければ作成自体は5分程度でできます。飛行距離が長いとチェックする項目も多いので、その分時間がかかりますね。

ーーどうしたらJALでディスパッチャーになれるのでしょうか?

田中:ディスパッチャーになるためには、運航管理者の補助業務経験が必要です。まず国家資格である「運航管理者技能検定」の取得を目指し、受検要件を満たすために社内で運航管理者の補助業務を1年以上経験しました。資格を取得したら、社内運航管理者のアシスタントとして業務にあたりつつ社内運航管理者の訓練を重ね、その後、社内審査に合格してようやくディスパッチャーとして勤務できるようになります。

私の場合、運航管理者補助をスタートしてからディスパッチャーになるまで約4年かかりました。

不測の事態にも臨機応変に対応。必要なのは「コーディネーション力」

ーーこれまで従事したなかで特に印象に残っていることを教えてください。

田中:2019年10月、台風19号が関東に直撃した日に、成田空港発インド・デリー行きの便を担当していました。台風が影響する前に出発できる見込みだったためフライト準備を進めていたのですが、給油施設が停電で故障し、燃料が給油できなくなってしまったんです。

結果的に給油施設が復旧して飛行機は無事に飛んだのですが「規程上、この対応はOKなのか」など、普段以上に考えさせられる事例だったので、とても印象に残っています。

運航乗務員や空港にいるオペレーションスタッフ、IOC(Integrated Operations Control/本社にあり世界中を飛行するJALの航空機の運航を管理する)内の各部署と、密に連携をとって調整するのは「ディスパッチャーらしい」仕事だと感じました。「ひとつの便を飛ばすのにこれだけ多くの人が関わっているんだ」と改めて強く実感できた経験でしたね。

ーーディスパッチャーにもっとも必要な力とはなんでしょうか?

田中:コーディネーション力です。不測の事態が起きた際、社内外の専門スタッフの知識をお借りするので、関係者と日頃からコミュニケーションを取り信頼関係を構築しておくことや、その専門知識をもとに正しい判断を下すことが求められると思います。

お客さまの旅の始まりと終わりを支え続けたい

ーー普段からよく使う用語があれば教えてください!

田中:「ATB」「GTB」という用語があります。「ATB」はAir Turn Backの略で、離陸後に出発地へ戻ってくること、「GTB」はGround Turn Backの略で、地上を滑走後に何かしらの不具合で駐機場に戻ってくることです。これらの言葉が無線から聞こえてくると焦ります……!

ーー普段ついやってしまう職業病のようなものはありますか?

田中:どんな場面であっても常に代替案を考えるようになりました。プライベートで旅行の計画を立てるときも、「晴れたら」「天気が悪かったら」と、必ず2つのプランを用意します!この仕事に就いてから、行き当たりばったりの旅行はできなくなってしまいました(笑)

ーー最後に、tricoの読者へメッセージをお願いします!

田中:いつもJALグループをご利用いただきありがとうございます。さらに、このようなニッチな職業に興味を持っていただき、とても嬉しいです。

これからも皆さんの旅が楽しい思い出になることを願いながら、旅の始まりと終わりを支えられるよう業務に邁進したいと思います!

今回はフライトにおける“縁の下の力持ち”ともいえる、ディスパッチャーのお仕事の裏側をご紹介しました。ディスパッチャーになるための流れなど、初めて知ることも多かったのではないでしょうか?

知りたい職種や聞いてみたいことがあったら、ぜひコメント欄に投稿してくださいね♪

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  • 縁の下の力持ちと言う位置づけの仕事ですね。
    「どんな場面であっても常に代替案を考えるようになりました。」に納得です。
  • またまた発見!をありがとうございました。
    国家試験や社内試験、経験、いろいろ必要なんですね。
    そうして安心して空の旅ができることに感謝!
  • 楽しく安全なフライトを味わえるのは、
    多くのスタッフが、職務に忠実に関わっているからなんですね。
    田中様、JALの皆様、ありがとうございます。
  • 滞りなく運行するためにディスパッチャのお仕事の大変さが良く分かりました。この件と異なりますが以前インドに駐在した際、国内の移動では定刻というのが無くいつも空港で何時間も待たされたという事を思い出しました。やはり日本は良い国だなと思います。
  • まさにこれです!私が見たかったものは!
    どのようにしてなるかとか、心得とか必要な能力とか!
    素敵なインタビューをありがとうございました!
  • 2020/05/14
    乗客からは見えない影のお仕事ですが、非常に重要なお仕事なんですね。いつもあありがとうございます!
  • 飛行機が無事に飛んでいる影には
    たくさんの方の活躍があるんだ💡
    と改めて、感謝の気持ちになりました😊💕
  • ずっと昔、空運ではありませんが、ディスパッチャー業務をしていました。台風やport congestion への対応とか、多分一緒だなと思います。コーディネイト力が最も必要、まさにその通りですね。誰に相談を持ち掛ければいいのか、誰を巻き込むべきなのか、という引き出しを多く持っていることが重要です。その結果、飲みニュケーション力も発達しましたが(笑)
  • 以前ドラマで深田恭子さんが演じていたような?

    素晴らしいお仕事ですね!

    プライベートでも行き当たりばったりが無くなって準備万端ですね。
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