発見レポ
2021/11/03 18:34
11月のテーマは #文化の秋 だそうで、しばらく休んでいた #マニラ の話を再開しなければ…と思い立ちました。
仕事が立て込んでいて少しずつしか書けませんが、歴史にまつわる名所を一つ一つ丁寧に紹介していきたいと思います。

【マニラ紀行⑤-B】
ここは #イントラムロス の北側を占めるスペイン植民地時代の大要塞を、公園として一般に開放しているところです。基本的に年中無休。入園料75ペソを支払います。
#フィリピン 政府が威信をかけて整備していますので、維持管理費の徴収は妥当でしょう。敷地の中心には美しい噴水があり、草木もよく手入れされていて、表面的には清々しく気持ちのよい場所です。

しかしながら、ここは悲劇の舞台でもあります。
スペイン時代は政治犯に対する過酷な仕打ちが行われた場所であり、独立の英雄である #ホセ・リサール も、この要塞の一角に抑留されていました。彼が実際に捕らえられていた建物の一部が残存しており、そこにはロープで縛られたリサール氏の蝋人形が置かれ、当時の雰囲気を人々に伝えています。
また、敷地の一角には「ホセ・リサール博物館」があり、彼に関係する貴重な史料が所狭しと展示されています。観光客はもちろん、現地市民が日常的に訪れ、歴史に思いを馳せる場所です。自主的に学びに訪れる中高生の姿も目立ちます。

それだけでなく、歩いてみると分かりますが「先の大戦の遺物」が随所に顔を覗かせています。この要塞跡は日本の占領中、憲兵隊の本部が置かれた場所でもあり、占領に抵抗した人々およそ600人が北辺の地下牢に繋がれました。彼らの中には、残酷な話ですが…満潮時に溺死させられた人もいます。
マニラは大東亜戦争中でも有数の市街戦に見舞われた都市で、多くの市民が巻き添えとなりました。その責任は50:50で日米双方にあります。戦闘末期の悲惨さは、ここで語るわけにはいかないレベルの壮絶なものです。

この公園は今、一見すると美しく平和な雰囲気に満たされていますが、一歩踏み込めば、累々たる悲劇の爪痕が待ち受けます。
当事者の日本人として、目を背けてはならないと確信するものです。素通りすれば単なる物見遊山です。しかし、立ち止まって過去を振り返るなら、旅は何倍も深みを増し、現地の人々との心の繋がりを築くことができるでしょう。

#旅写真 #歴史探訪
サンチャゴ要塞(フィリピン)
いいね 行ってみたい 行った
クリップ
44件の「いいね!」がありました。
全44件の「いいね!」がありました。
  • 44
  • 0
  • 0
コメント
0件のコメントがあります。
並び替え
コメントするにはログインしてください
投稿の報告
「JALの旅コミュニティ trico」内において、利用規約に違反する疑いがある投稿を発見された場合は、こちらより該当する理由を選択の上報告ください。
該当する理由を選択してください。
キャンセル  
投稿の報告
通信に失敗しました。恐れ入りますがしばらくたってからやり直してください。
閉じる
ご協力ありがとうございました
※報告者情報、報告内容については個人情報保護方針にて保護され、公開されることはありません。
注意事項
ご連絡に事務局が個別にお答えすることはありません。
ご連絡いただいた内容は、利用規約に照らし合わせて確認を行います。
ご連絡をいただいても違反が認められない場合には、対応・処理を実施しない場合もあります。
閉じる